森の日記

見たこと、知ったこと、感じたこと。

バカンスと生産性のはなし。

夏です。

夏休みです。

バカンスです。

こどもにとっても、おとなにとっても。

 

まだ引き続きフランスにいるわけなのですが、こちらでは、もう7月入った頃くらいから人々がそわそわし始めます。なぜかといったら、バカンスが近づいているから。

 

私のいる部署全体も、なんだか、だんだん機能停止をしていく機械のように、だんだんすべての作業量はゆっくり確実に下がっていっています。おとなでも夏休みって、あるんだ。というのが、ものすごくフランスの大発見。

もちろん、働くひとはバカンスもなく働き続けるし、バカンスをとりながらも社会が機能し続けるための仕組みは存在するし、「フランス!バカンス!働かない!」というのはステレオタイプだと思う。

ただ、バカンスをこれほど社会の大多数が重視していながら、それでも機能し、存在感を維持しているこの国(もしくはヨーロッパ)のひとたちの「働き方」の生産性は、やっぱり高いんじゃないかと、いっしょにいて、思う。

仕事のあいまに雑談はするし、横道それて長々と井戸端会議しているし(放送時間近づいているのに!)、役所や窓口の仕事はとても遅いけれど、少なくともTV業界においては、日本と同じこだわりや取り組みを感じる。ちがうのは、集中力と突破力、そしてやっぱり生産性だと思う。

そこには、ものすごく論理的・合理的な考え方で、働き方を明確に仕事分担している(日本のようにふんわりとした分業ではない)、「知らないものは知らない、〇〇に聞いてみよう」と、だれに聞くべきかをだれもがすぐに分かる、「やすみ」は「やすみ」と割り切る、、、などなど、日本とは考え方の根っこが違うことを感じる。

 

日本のひとたちってなんとなく、「ほかの人が働いているのに私だけ帰るの申し訳ない、、」と思うべき(!)とか、「知らなくってごめんなさい」となぜか申し訳なく思ったりとか、「やすみ」だけど頼まれたから行かないと、、、みたいな思考回路になったりとか、している気がする。

私だけかもしれないけど、いやでも、私のまわりにいる日本の人たちはそういう気質な気がしている。それがやさしさでもあって、忍耐強さでもあって、私は日本の人たちのそうしたところも大好きだけど、でも、もう少し肩の力を抜いて、そのぶん短期集中でえいっとやってしまう、こっちの働き方を取り入れるのもいいのではないかと、バカンスにうきうきと旅立つおとなたちを横目に思うのです。