森の日記

見たこと、知ったこと、感じたこと。

パリを観光で訪ねること。

おとといから仕事を始めたことで、更新ができなかった・・・。

せっかく毎日更新できてきていたのに、反省。限られた時間で書けばいいのだけど、殊、適当な情報をもとに書くのはいやという、ちまっとした自分のこだわりもあって。(書くのなら、どこかの記事や情報源を明らかにできる情報をもとにしたい。)

なにはともあれ、精進します。

 

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きょうもまた仕事のあいまのやすみ時間に、それでもさくっと!と思い。というか、けさのニュースの中で気になる話題を見つけたので、日本にもつながるかなと。パリジャン紙の記事で、タイトルが「スリ、トイレ不足、交通…パリの観光客の障害物競走」。

www.leparisien.fr

 

2018年、パリとその周辺地域に、5000万人の観光客が訪れたという。(ちなみに日本は3000万人ほどとのこと)。

日本は全国あわせてこの数字なのに対し、パリは、実際は東京都の世田谷区ほどの大きさしかない小さな町だ。日本でも、近年外国人観光客が増えていることを実感しているひとは少なくないと思うのだけど、その1.5倍以上の人数が世田谷区にやってくると思ったら、すごいことではないだろうか。

 

先週、パリ市では「パリに観光客が多すぎるか?」というテーマの会議が開かれたそうだ。観光は、もちろん経済発展や文化振興に貢献するが、一方で地元住民たちの生活に少なからずの影響が出るため。

でも、「国立ガイド連盟(Fédération nationale des guides interprètes et conférenciers)」の副代表(ガイド歴24年)曰く、『パリに観光客が多すぎることはない。ただパリはもっと質の高い受け入れ力を身につけなくてはならない』と語った。

それが、スリ、トイレ不足、そして交通トラブルなのだ。

 

どれもいまの日本では縁の遠い話にように感じる。

治安の良さで世界に知られる日本では、スリはおろか、電車に忘れたかばんでさえも返ってくることの多い国だ。トイレはどこにでもあるし、ウォシュレットや音姫も完備しているものがほとんどだし、最近ではおしゃれを極めているものさえ少なくない。交通トラブルも、通勤ラッシュ時の満員電車は少し異常かもしれないけど、それでも新幹線は時間通りにくるし、急に止まったりストライキしたりすることもない。

 

フランスは、すべてにおいて、正反対の国なのだ。

 

きのう、たてつづけに初対面の2人のフランス人から「日本人はパリに来てショックを受けるって本当?」と聞かれた。

フランスでは「パリ・シンドローム(パリ症候群)」という病名も実在するその病気は、パリにやってきた日本人女性が、夢見ていたパリと、実際に来て違ったパリに混乱し失望し、精神を病んでしまったことで名付けられたという。

 

エッフェル塔や凱旋門、セーヌ川にモンマルトル、ノートルダム、、、とてもきれいでロマンチックなイメージが広く知られるパリだが、実際に来てみると、いろいろと現実は甘くない。

道路は汚いし、フランス人は感じの良いひともたくさんいる一方で「どうして?」と疑問に思うほど感じ悪いひとも山ほどいる。確かに、心地よいとは言いがたい、、、と思うことも多々ある。

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ただ、そこもその国の個性だよなあ、とも思うのです。

トイレがないことも、道路に犬のフンがたくさん放置されていることも、メトロが古くて汚いことも、たまに変質者(日本の痴漢のようにむっつりではなく、フランスの変態は本当に変態)。それもひっくるめて、パリなのだと思うのです。

 

世界はしっちゃかめっちゃか、複雑で、だからこそ豊かで美しい。

ということを、パリで教えてもらった私は、過度に整備が進んで均一化が進んでいくことに、一抹の寂しさを感じたりもします。

ただ、特にバリアフリーの観点でパリは本当に住みづらいと思う。実際に赤ちゃんいる友人はベビーカーがあるとどこにも行けない、と嘆いていたし、お年寄りの方や障がいのある方にやさしいかと言えば、ちっとも優しくない町。そのぶん助け合い(声をかける)文化が日本よりは広がっていると思うのだけど(メトロにベビーカーのひとがいたら、階段を上るのをいっしょに手伝ってあげるとか。エスカレーターはたまにしかないし、よく止まっているので、、、)それだけじゃ全然足りないくらい、当事者にとってはものすごく不便だと思う。

 

その国の個性や豊かさ、あとちょっとの変な部分も残しつつ、それでも、やさしいまちになるのが、いいなあと思う。観光客にとって良い町が、住民にとっても良い町になったらいいなあ、とも思う。

 

どんな町を旅して、どんな町に住みたいですか?